織田信長の弟で、織田長益は、安土桃山時代から江戸時代初期の
大名で茶人、利休十哲に数えられれ、
織田有楽斎として、茶道有楽流を創始しました。
その有楽流を継いだのが、織田長益の次男で織田頼長です。
織田頼長は、大坂冬の陣で、長益(有楽斎)と従姉妹の淀君とともに
大坂城に籠城し、二の丸玉造口などを守備されました。
1万人あまりの部隊を指揮したといわれています。
1615年の大阪夏の陣前に大阪城を退去され、入道し織田道八と名のり、
茶人として左阿彌に隠居します。
その織田信長の甥の織田道八の掛軸が入荷いたしました。
勝海舟や頼山陽など、幕末くらいの著名人の書画は、
何度も扱った事もあり、人物の写真も残されていることも多く、
何とか地続きのリアリティを感じられますが、
流石に400年前で、小説や時代ドラマで
描かれている人物の書画を前にすると、感慨深いものがあります。
特に、この人物は、以前、手塚治虫漫画大賞を受賞した「へうげもの」で、
徳川への反骨心から傾奇者として描かれて、
「大阪城夏の陣」前に退去するまで、野放図だけど、
どこか憎めないキャラクターとして物語を盛り上げていました。
この漫画を愛読していて、歴史小説も戦国時代モノを乱読していた手前、
やはり思い入れが自然と湧いていきますね。
歴史上の実在した人物といえ漫画や小説は、虚実ない交ぜにデフォルメして
描かれているのはもちろん承知しています。
けれど400年の時を経て、その人物の書が自分の手元にある
不思議さにしばし感動いたしました。